第141章 なぜ来たのか

二台の車は一列になって森林公園を後にし、第五軍区の方角へと疾走した。

約四十分後、車列は厳重な警備が敷かれた第五軍区の正門に到着した。厳しい身元確認と電話による照合を経て、ようやくゲートがゆっくりと持ち上がる。

車はそのまま軍区内部へ進み、一際警備の厳しいオフィスビルの前で停車した。

鬼頭慶隆少将は、すでに玄関先で待ち構えていた。

軍用車から降り立つ橘凛の姿を認め、その表情に安堵と焦燥を浮かべる。

だが、直後に後続の高級車から、仕立ての良いスーツを纏った一条星夜が降りてくるのを目にした瞬間、彼は凍りついた。顔中に驚愕と困惑がありありと浮かんでいる。

「一条星夜……? なぜ君までこ...

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